屋根かけた。



最近不景気で中古の機械が安く手に入ります。
木下電機が重機部を始めたきっかけも、とある重機屋さんが事業縮小のため工場を売りに出していたことが発端です。
居抜き状態で道具もほとんど揃っています。
半自動溶接機、ガス切断機、ガス自動切断機、プラズマ切断機、油圧プレス、ボール盤、アトラなどなど
参考サイトのリンク

 
鉄骨が入荷したので早速長さを計ってから所要の長さに切断します。
 今回切断にはガス切断機を使用します。 50Aクラスのプラズマ切断機を使うのもありですね。
 写真は300×150サイズのH鋼です。
 


石墨で直角にラインを引いて。
 手前にある文鎮はガス切断の際のガイドとして使います。
 これだけでまっすぐカットできます。


 ガスで切り始めます。 加温用バーナ部でカドのあたりを十分温め火花 が散り始めたら、切断用酸素を供給して切り始めます。 
 
 ゆっくりと一定速で文鎮にならい動かしてゆくときれいに切れますよ。


これが切断跡。
 加温用トーチの火力が強すぎたようです。 切断のカドが溶けて丸くなっています。


H鋼はH型なので3回に分けて切断します。
 


今回製作した屋根の構造は4000×5000の屋根を3本 の梁で支持する構造です。 各梁は1本の柱で支えられ、東側はユニットハウスに連結されます。西側は柱のない片持ち梁となり一番ストレス乗っかるところで す。
 
 ここらへんは豪雪地帯なので平米1トンで所要断面係数を計算します。
 
 3本並んだウチ真ん中の梁の片側には積雪荷重20トンの内5トンがか かります。 この時2000mmの片持ち梁に均等荷重がかかったとすると49000kN・mmの曲げモーメントがかかります。
短期許容応力度を235N/mm2とすると208cm3以上の断面係数を持つ梁が必要です。
今回は481cm3の断面係数を持つSN400材のH300×150を選びました。


鋼材のカットが終わったら、穴あけです。
穴位置はテンプレートを作ればケガキなしで一発ポンチ打ちできます。
 


ポンチ打ち


ポンチ打ち


ポンチを打った場所にアトラで穴をあけます。
 はじめに小さめの穴をあけて広げるほうが穴のセンターがズレづらいです。
 
 径の大きなドリルの歯には負担があかり易く、よく欠けます・・・。
 下が12mmのドリル、上が18mmのドリルです。
 歯がかけたり減ったりすると自分で研ぎ直すので大分短くなりました。


ガスで切断した鋼板には切断くずが付いていたりするので、サンダーで軽 く当たります。


部品のカット、穴あけがすべて済んだら溶接して組み立ててゆきます。


溶接部分の周囲は、溶接部分から飛び散った真っ赤な鉄がこびりつきます (スパッタ)
 コレをきれいに掃除します。
 コンクリート用のハツリタガネが便利です。
 
 スパッタをきれいに取っておかないと設置後、鋼材を素手で触ったときにスパッタで手を切ります。


 溶接して組み立てたH鋼。折板のタイトフレームも溶接しました。
 


建築用ハイテンションボルトによる摩擦接合では、接合部分を十分に清掃 し表面を荒らす必要があります。
もちろん塗装も不可

マスキングをします。



 むらなく錆止め塗装をしてゆきます。
 
 塗装されたらだいぶそれっぽくなってきました。


柱を台車に載せて運びます。
 


クレーン車で、まずは柱から載せてゆきます。


そ~っとおいて、でも完全に下ろしません。
 
 手で位置を微調整してから


下ろしてボルトで仮止めです。


おおっと、梁の下面を塗忘れていました(汗


塗りたての梁がある程度乾くのを待って載せます。
 
 またまた、そ~っとおいてからボルト仮止めして


柱の上にそ~っと置きます。
 
 そこでボルトで仮止め。


とりあえず、骨は組みました。ココで日没終了です。
 
 残りはブレース装着、細部塗装、折板張りが残っています。


これがブレース。 羽子板みたいな板にターンバックルを溶接その先に丸 棒、さらにその先にまた羽子板を溶接してます。


ブレースをどんどんボルトで止めてゆきます。


上の方も


全部取り付けたら、ターンバックルの締め具合で、鉄骨組全体の形や位置 関係を調整してゆきます。

 垂直直角がきちんと出たら鉄骨に使っているすべてのボルトを本締め。


未塗装部分を丁寧に追加塗装します。


そして最後に折板張り。
 タイトフレームの上に折板を置き位置決めしたら、タイトフレームのボルト先端に折板を押し付けて穴あけ&装着。
 
 すべてのボルトが貫通したらインパクトレンチで締め付けると屋根貼り完了です。
 
 今度もっと細かく説明します。


屋根かけ完了!
ちょっと鉄骨が太い素人クオリティですが・・・。

 このへんは豪雪地帯で雪の重量を平米あたり1tで計算することになっています。
 屋根の広さは20平米あるので20tの雪が均等に載っていると考えるとコレぐらいの断面係数が必要な気がしたもので。


これが建築用の摩擦接合用ボルト。
 頭にF8TとかF10Tとか書いてあります。 大抵ボルト、ナット、ワッシャのセットのようです。
ボルトはハイテン、ワッシャはS45Cのようです。

高 力ボルト資料のリンク
構造計算の参考サイト
構造屋さん修行中
http://kozo.milkcafe.to/
建築構造設計べんりねっと
http://arc-structure.sakura.ne.jp/index.html
らくちん設計.com
http://rakutin.himegimi.jp/index.html
ハイパー建築法令集
http://homepage2.nifty.com/happa64/index.html
新日本製鐵 建設用資材ハンドブック
http://www.nsc.co.jp/product/construction/handbook.html
日鐵住金建材 軽量形鋼
http://www.ns-kenzai.co.jp/product/a1/a1_top.html
溶接関係の参考サイト
(社)日本溶接協会 溶接情報センター http://www-it.jwes.or.jp/index.jsp
(株)新東 シールドガスの種類
http://www.shinto.co.jp/a005.html